
目次
ビジネスマナー研修とは
研修という中のビジネスマナーとなると、新入社員向けの教育内容としてテーマ設定されることが多いです。BtoBの企業向けの研修で考えると、ビジネスマナー=企業人ということで、
・身だしなみ
・電話応対
・名刺交換
・席次
・敬語
といった内容が含まれます。
新入社員研修の序盤に実施するケースが多いので「ビジネスマナー研修」というタイトルですが、「学生と社会人の違い」「報連相」「ビジネスコミュニケーション」なども入れて、入社直後の研修として組み立てることが一般的です。
内容についてはリクエストの違い等もあるので、企業ごとにカスタマイズされたものとなる場合もあります。
ビジネスマナーとは
ビジネスマナーという言葉はある程度一般的なものかと思いますが、具体的には何を指す言葉なのでしょうか。往々にして「ルール」や「決まり事」といったような、拡大解釈をしてしまうケースも多く見られます。
ビジネスマナーとは、その名の通り「マナー」であって決まり事ではありません。ただし、ビジネス上で相手を思いやる気持ちを伝えられる手段なので、知らないと失礼だと感じる人もいるでしょう。様々なビジネスシーンで一般化されているマナーが存在することもあり、一つのスキルとも言えます。
学生の間は無縁に過ごす人も少なくないので、ビジネスマナー研修等を通して少しでも身につけることで、社会人としての人間関係の構築に役立つと思います。

ビジネスマナー研修の目的
信頼関係の構築
ビジネスマナーを習得することで、取引先など関係先との信頼関係の構築に役立ちます。当たり前のようですが、仕事を共にする相手が非常識な言動を繰り返すようでは良好な関係を築くことは難しいでしょう。企業としてベースとなるマナーを研修で身につけておくことで、誰が対応しても一定の水準を保てるようになることは有益なことであり、ビジネスマナー研修を実施する一つの目的となっています。
企業イメージの構築
会社の大小に関わらず、実際に関わった社員の言動がその会社のイメージにも繋がります。それは新入社員であっても対応一つで、その会社のイメージとして「マナーが良くない」など印象づいてしまうかもしれません。逆に誰が来ても良い印象を与えることができたら、会社全体のイメージが悪くなることはないでしょう。ポジティブな企業イメージの構築もビジネスマナー研修の目的と言えます。
学生意識から社会人へ
新入社員がビジネスマナー研修を受講することによって、社会人としての意識を高めることも目的の一つです。入社にあたってのモチベーションは人それぞれかもしれませんが、相手と接する上での細やかな気遣いを知ることで意識の向上につながるでしょう。

ビジネスマナー研修のメリット
ビジネスマナーが“なぜ必要か”を理解することができる
特に社会人になりたての頃は、ビジネスマナーについて知らないと同時に、どのように使ったら良いかもわからない状態のことが多くあります。知識として知っているだけでは適切なタイミングで使用することができず、実践力といった点では厳しいと言わざるを得ません。学生時代には“そんなにする必要ある?”と感じるかもしれない相手への気遣い等は、研修を通して必要性を学ぶことで心構えができ、実践力に繋がります。
社外の人からの好感度アップ
コロナ禍においては少なくなってきていますが、商談や接待の場面で直接社外の人と関わる際の挨拶や所作など、第一印象からビジネスマナー研修で学んだことを活かせると思います。身だしなみや言葉遣いも研修内容に含まれていることが多いので、好印象を与えることも期待できるでしょう。こういった当たり前とも言えることで、相手に違和感を与えず自然な人間関係を構築する第一歩となります。
社内の信頼感アップ
企業に入って信頼感を得るには、よく言われるところで「報連相」があります。報告・連絡・相談の略称で、これらをしっかりすることで先輩社員との信頼関係の構築に繋がります。新入社員は優秀であっても実績はないので、与えられた仕事の結果はもちろん、途中経過なども報連相によって共有していく必要があります。この報連相の基礎や必要性を学べることは、ビジネスマナー研修を受講する一つのメリットと言えるでしょう。
ビジネスマナー研修のデメリット
ジネスマナー研修を行うことのデメリットとして、強いて挙げるとすれば「窮屈さ」「感覚と合わない」などを感じる人もいることです。頭ではわかっていても、「そこまでする必要があるのか」「自分のスタイルではない」などと感じる人もいることが考えられます。
しかしながら、ビジネスシーンでの常識を知ることは、相手方に気持ちを伝える有効な方法であり、社内でも安心して取引先と関わらせることができる要素になり得るものです。個人の受け取り方によってはデメリットと言えるかもしれませんが、基本的には企業・社員双方にとってメリットのある研修と言えるのではないでしょうか。

ビジネスマナー研修の実際の流れ
研修会社の違いや研修を依頼する企業の要望等によって、プログラムも様々になると思います。その中で一例として、基本的なビジネスマナー研修の流れをご紹介します。
ビジネスマナー研修の組み立て方
まず研修の目的から逆算されてプログラムが決まっていきます。今回は新入社員に対して「企業人としての自覚を持ち、組織の一員としての自身の役割を理解する」「仕事に必要な知識・スキル・ビジネスマナーの基本を身につける」「組織内におけるコミュニケーションの大切さを理解する」と言った目標のもと作成されたプログラムです。
ビジネスマナー研修のプログラム例
研修の最初に行われるのがオリエンテーション。この場で初めて同期のメンバーと顔を合わせるというケースも少なくありません。研修についての話に加えて。アイスブレイクのようなことが行われるのが一般的です。
この日を境に学生気分から社会人としての心構えを持てるように、ビジネスマナーの使い所よりも先に、社会人・企業人としての心構えを学びます。組織の一員として働いていく第一歩目とも言えるでしょう。
これが終わると職場内外でのビジネスマナーを学んでいきます。挨拶や身だしなみ、電話応対や敬語についてなど、うまくアウトプットできればすぐに使うことができる内容です。
さらには職場内で円滑に働くために重要な「報連相」についても学ぶことができます。話の聞き方はもちろんですが、相手への伝え方も重要です。一生懸命働いているつもりでも、伝え方一つで印象は違ってくることがあります。このような内容を座学やグループワークなど、1日かけて学ぶこととなります。

ビジネスマナー研修の感想
実際にビジネスマナー研修を受講した方々は、どのように感じたのでしょうか。受講直後の感想をまとめましたのでご覧ください。感想として出た答え以外にも、知識として得ていることもあり、今後の業務の場面で活きてくるかも知れませんが、今回のアンケートは受講直後にいただいたものです。
・社会に出るためのイロハを学べた。自分の身になることが学べたと思う。
・グループで話し合い、初めて会う同期と一緒にできてよかった。仲良くなれた気がする。
・ビジネスマナーの大切さ、チームワークの難しさ、楽しさなどがよくわかった。
・社会人について詳しく学べた。特に名刺交換についてしっかりと教われたことが良かった。
・ビジネスマナーや電話の受け答えなど、知らなかったことを学べたのでよかった。
・これから社会に出る人間として、必要なビジネスマナーやコミュニケーションの取り方など、ためになる内容だった。
・仕事に必要な礼儀や言葉遣い、そして社会人のあり方を学べた。
・身だしなみ。コミュニケーションの取り方、基本的な挨拶について理解することができた。
・電話応対が不安なので、もっと練習したかった。敬語の難しさも痛感した。
ビジネスマナー研修を行う際に最も多い、新入社員に対して開催した時の感想となっています。「ビジネスマナーの大切さを知った」という声や「知らなかった」という声などがあり、入社後の業務にそのまま反映できる内容であったことがわかります。
まず必要性を知らないと相手に対して“失礼”な態度と映ってしまうことが想像され、知らない状態だと“不安”なまま業務をすることになるかもしれません。
一口に新入社員と言っても、その認識や知識の差は十人十色でしょう。その中で、全体に共通で知っておくべきビジネスマナーを伝えるには、研修の活用は有効と言えると思います。