従業員の精神面での健康向上にむけて~ポジティブ心理学のススメ~

従業員の精神面での健康向上にむけて~ポジティブ心理学のススメ~

みなさんは普段から健康は意識されていますでしょうか?

現在は特保(特定保健用食品)など健康につながる食品がでているくらい、国も身体の健康促進につながること施策をうっています。

みなさん個人としてもおそらく、定期的に運動をする、食べ物に気を付ける、飲みすぎない、人によっては一時期流行った青汁を飲むといったことまで小さくとも何かしらをしているのではないでしょうか?

実際、2001年次の男性の平均寿命が78.07歳、女性が84.93歳だったのに対して、2016年は男性80.98歳、女性87.14歳とそれぞれ増加しています。

しかし、精神面の健康はどうでしょうか?

みなさんのまわりにも、常に疲れている人だったり、顔に余裕がない人もいるかもしれません。日本において、自殺率は世界の中でも9番目の水準となっています(2015年調べ)。日本は戦前から比較的自殺率は高い傾向があったようですが、それは今でも維持されてしまっているようです。自殺につながってしまうような重度の抑うつとまではいかなくとも、中度ないしは軽度の抑うつの方は自分も含めて潜在的に多くいるのかもしれません。最近では、従業員が所属している会社において、一定数の企業規模では、産業医を置くことを義務化することがはじまったり、精神面での健康も気を遣われはじめています。

しかし、まだまだ本当の意味で精神面での健康が保たれている状況とはいえないのかもしれません。そもそも、どうすればより良い状況になるかを知らないことが大きいのかもしれません。

精神面にむけての心理学の取り組み

20世紀後半の心理学での主要な考えにおいて、情動不安(心が安定せずに感情の起伏が激しくなっている様子)の大部分はパーソナリティ特性に多い位に遺伝性があるという研究発見がありました。

現在でも情動不安は、いつもではありませんが多くの場合は、こうしたパーソナリティ特性から生じていることは確かです。

しかし、少なくとも、個人の個別固有の抑うつや不安、怒りの範囲内で最高の生き方ができるようになっていくことは本来はできるはずですが、その範囲以上の症状がでてしまう人も多々います。

元々、心理学やセラピストの取り組みは、ネガティブな感情を最小限にすること、すなわち、人々の不安や怒り、抑うつを軽減するための薬や心理的介入を促すことでした。

つまり「人間の苦しみを和らげること」を目標としてきました。

この苦しみを和らげることに通じる治療法の中で「効果あり」と保証されているのには2つあります。

ひとつが抑うつに対する認知療法です。これは悪い出来事について考え方/捉え方を変えるというものです。もうひとつが選択的セロトニン再取込み阻害薬を処方することです。これは、SSRIやプロザック、ゾロフトといった抗うつ剤を飲むことで一時的に、不安を取り除くといったものです。これらは、それぞれ65%の改善率を得るといわれています。しかし、極めて重度の抑うつにおいては薬は確かな効果を発揮しましたが、中程度もしくは軽度の抑うつにおいては効果が見られませんでした。

しかし、ほとんどの抑うつ患者は、中度もくしは軽度になっています。そうなると薬の効果がその患者にでないことも多々でてしまうことになります。更に悪いことに、これらの治療法は自己を強化するものではないので、その効果は時間の経過とともに弱まっていきます。すべての薬が全く同じ性質をもつようです。摂取するのをやめたとたんに、振出しへと戻り、例外なく再発へと戻ってしまいます。

新たな取り組みとしての、ポジティブ心理学

そういった状況を変えていきたい、「人間の苦しみを和らげること」から「人生を最も価値のあるものにすること」にしていきたいといった想いから、心理学者のセリグマンらが考えたのが「ポジティブ心理学」です。

そもそもセリグマンは、人生をダメにする条件を取り除くことと、人生をより良くする条件を構築することは同じではないといっています。

前者が今までの心理学であり、ある意味終わりのない旅となる治療でもありました。イメージとしてはマイナスを0にするアプローチでした。

逆に後者がポジティブ心理学であり、0を1やそれ以上にして、かつそれらを継続していく考え方です。 ポジティブ心理学においては、ポジティブな感情、意味・意義、達成、ポジティブな人間関係を持つ必要性を訴えます。これらの要素を強化するスキルとエクササイズは、人々の苦しみを最小限にするスキルとは全く異なっています。

具体的にできること

そういったポジティブ心理学の具体的なアプローチはいくつかありますが、実際に効果があり、簡単にできることを2つ紹介します。

1.感謝の訪問

人に感謝を伝える事で、自分自身も満足のいくものとなるようです。

感謝の気持ちを感じるとき、人は人生のポジティブな出来事に伴う好ましい記憶から恩恵を受けます。また、感謝の気持ちを他人に表明すると、その相手との結びつきを感じられ、気持ちの面に良い影響があることがわかっています。

具体的には、

頭に浮かんだ人に感謝の手紙を書いて、直接自分で手紙を届けます。

・手紙の内容は、具体的に700文字程度

・その人が自分のために何をしてくれたのか、自分の人生にどのような影響を与えたのかを内容に入れる

・自分が今現在何をしているのかを相手に知らせる。また、相手がしてくれたことをよく思い返していたと伝える

これらを表現した手紙を用意し、直接会い、かつ手紙を読み上げるといったワークです。 読み終わった後は、お互いの気持ちについて話し合ってみるとより効果がでます。

2.うまくいったことエクササイズ

人は、人生で役に立つことよりも、悪いことについて考えるのに多くの時間を費やす傾向があります。さらに悪い事には、ネガティブな出来事に注意をむけることで、不安や抑うつを招くきっかけを作ってしまうことになります。

このようなことにならないようにする一つの方法は、うまくいったことについて考え、その出来事をじっくりと味わうことです。

毎晩寝る前に

・今日上手くいったことを3つ書き出す

・それらがどうしてうまくいったかを書き出す

・それぞれの出来事について、なぜ起きたのか?という質問に答える

これらを最低1週間行ってみましょう。

実際に筆者も行ってみましたが、かなりマインドが前向きに変わっていることが感じられました。

上記2つを行う事によって、3か月後と6か月後の抑うつ度が顕著に下がったという臨床結果もでています。

まだまだ、ポジティブ心理学は改良の余地がある分野ということですが、職場においても活かせる部分が多々あるかと思います。

多様な働き方や、考えが求められる環境においては、不安のように創造性を阻害するものではなく、生み出せる精神状況にあることも会社としても必須になってきます。

是非とも、精神面でも健康な状況を職場に用意していきましょう!

この記事を書いた人

栗林 陽

(株)TOASU DI室リーダー/チーフディレクター 

大学卒業後、大手IT業界、海外経験を経て現会社へ入社。日本の継続的、健康的な成長を願い、企業向け研修の企画、営業に従事。その後、営業だけでなく0からの研修企画、作成が認められ、社内での新規事業のリーダー職を担う。現在は「チーム」へ向けた今までにないサービスを作成中。座右の銘は「少しでも良い社会のために」。本業の傍ら、地域活性にも参画。大学まで続けたサッカーは今でも毎週行っている。

トアスでは階層や職種に応じて
様々な社員研修メニューを用意しています。

お問い合わせ

トアスで社員研修を行うメリット

貴社に合った
学びの場の構築

トアスでは顧客の課題に合わせて最適な
学びの場を構築します。日程・時間・
人数・実施方法といった研修実施内容はもちろんのこと、学びの定着にむけたフォローアップ施策もあわせてご提案いたします。

柔軟なサポート体制

講師派遣に限らず、会場の手配、機材の手配(オンライン環境の構築)など研修準備に関する内容も承ります。また事務局業務についても対応可能ですので、研修の実施段階においても業務の効率化が図れます。

多様な講師を擁する
トアス講師ネットワーク

トアス講師ネットワークを活用し、ご要望に沿った専門性の高い講師のご提案が可能です。一度に多くの講師を揃えたい、複数のテーマで構成される一連の企画など、多くの講師へ依頼する必要がある場合でもトアスが一括してコーディネートいたします。

電話でのお問い合わせ

03-6431-1411

受付時間:平日9:00〜17:00