新入社員研修の必要性と効果的な設計を研修会社が詳しく解説

新入社員研修の必要性と効果的な設計を研修会社が詳しく解説

VUCA時代とも言われる変化が激しい社会において、時代の変化に合わせた新入社員研修の必要性は日々増しています。とはいえ、その真価は、新入社員研修の意味合いや目的をきちんと把握した場合に初めて浮かび上がるものです。

新入社員研修は新入社員への基礎スキルや知識の提供だけにとどまらず、新たな環境への組織適応のための支援や、新入社員の潜在能力の発揮を可能に役割も果たします。また、新入社員研修は、各新入社員のパフォーマンスを向上することで、ひいては組織全体の能力を強化することにもつながります。

本記事では、「新入社員研修の必要性」を深掘りした上で、新入社員の定義、目的、そして成功に必要な要素を説明します。

新入社員研修の重要性と意義

「7・2・1の法則」の解説と新入社員研修への適用

成長と学習の大部分が「職場経験」から生まれるという「7・2・1の法則」に照らせば、人間の学習の70%は職務経験、20%は上司や先輩からの助言、残る10%が研修や訓練から得られるとされます。ただし、全てがこの法則に集約される訳ではなく、新入社員研修は、その10%を最大限に活かし、効率的に知識や技術を習得する重要な場となります。

新入社員研修が企業に与える影響と価値

新入社員研修は、新入社員が企業の風土や目指す方向性を理解し、組織に求められる基本的な技術や知識を学ぶ場となります。個人にとっては、新たなキャリアのステップアップに必要な技術を得るための手段です。他方、組織にとっては、新入社員が効率的に働く基礎を築き、組織の成功を導くための第一歩となります。

新入社員研修による人材のモチベーション向上と早期離職防止

新入社員研修は、新入社員の潜在能力や適性を評価する機会でもあります。研修を通じて新入社員の問題解決力などのスキルやコミュニケーションにおける強みを理解し、新入社員がどのような役割を果たせるかを人事は明らかにすること、そしてそれを最大限に利用することが求められます。

研修による新入社員のポテンシャルと適性の把握

研修は新入社員のモチベーションを保ち、早期離職を防止する手段でもあります。研修は新入社員が自身の成長を実感する機会を提供し、自己の進歩と価値を実感できることで、新入社員のモチベーションが上がり、結果として職場満足度が向上、組織への長期的なコミットメントが高まります。

参加者間での学びの共創とその効果

新入社員研修は、参加者が共に学習を「創出」する場でもあります。共創とは、個々の視点や知識を集結させ、新たな考えや解決策を生み出す過程です。新入社員はこれにより、一人では見つけられない視点を得ることができ、新たな認識や発見が生まれる可能性があります。

以上のように、新入社員研修の意義は多角的です。職場経験から得られる学びだけでなく、組織の一員としての自覚を醸成し、個々の潜在能力を引き出すことで、モチベーションを維持や共創の力を利用することが可能となります。

新入社員教育の目標と価値

社会人としての意識改革と実務で得られない学びの提供

新入社員教育の主要な目標の一つは、学生からビジネスパーソンへの認識の転換を促すことです。新入社員は教育機関から企業への移行時に、自己の役割と責務が大きく変わります。したがって、新入社員が社会人としての思考法を確立することは重要です。さらに、新入社員には、研修を通じてビジネスエチケットや基本的なスキルの修得を目指すことが求められます。

ビジネスマナーと基本スキルの習得の重要性

研修のもう一つの目標は、新入社員が企業の規則や風土を理解することです。新入社員にとって、研修は初めて対面する企業の文化や理念を経験し、学ぶ機会となります。教室やオンラインにおける職場のロールプレイの他、本社や工場訪問により、企業が大事にする価値や品質に対するこだわり、作業の進め方などを直接観察し、理解を深めるといった手法が取られることもあります。

企業ルールと社風理解の促進

新入社員が基本的なスキルを身につけ、自己の仕事を理解することで、早期に職場での実際の業務に取り組むことが可能になります。研修は新入社員が実務で直面する問題を先取りし、解決のためのスキルや知識を学ぶ場でもあります。

新入社員を即戦力として育成する研修の設計

教育は「非日常」の場であり、それにより新入社員は「日常」(毎日の業務)を見直し、反省し、改善することが可能になります。新入社員は教育を通じて自己評価や自己反省を行い、日々の業務に反映させることが可能です。

総じて、新入社員教育の目標は新入社員の認識の転換、企業文化の理解、戦力化、そして日常業務への反省と改善の推進であると言えます。

多様化する新入社員研修の対象と形式

日本企業独特の新卒一括採用制度と研修の役割

日本の多くのビジネスでは、新卒一括採用という特異な雇用形式を採用しています。これは、大学などを卒業した新卒者を一度に大規模に雇い入れ、教育する方法です。新卒一括採用では、新入社員全体が同時に同じ教育を受けるため、組織の文化や価値観の共有が容易という利点があります。

インターン採用とその研修の特性

近年では新たな雇用方式として、インターン雇用が増加しています。インターン雇用では、学生が一定の期間企業で働き、企業と学生双方が互いに評価する機会があります。インターンシップの教育では、実際の職業経験を中心に置いています。学生は企業の現場で直接仕事を経験し、企業は学生の能力や適性を把握することができます。新卒一括採用とは異なり、働いた経験を軸にカリキュラムやレベルを設計する必要があります。

中途・第二新卒の研修

経験者採用や第二新卒採用も増えてきています。経験者採用では、他の企業での経験を持つ人材を雇い入れます。第二新卒とは、新卒で入社した会社を1〜3年程度で退職し、次の会社に転職する人材を指します。これらの人材に対する教育は、新卒一期生採用の新入社員教育とは異なり、彼らが前に築き上げた経験やスキルの活用が期待されます。新卒一括採用とは異なり基礎スキルが身についている場合も多いですが、会社への理解を深める、入社者同士での交流を促進するといったプログラムを強化することが大切です。

外国籍社員のための新入社員研修

グローバル化が進む現代社会において、外国籍従業員の雇用も増加しています。外国籍従業員向けの教育では、文化差や言語障壁を考慮した内容が必要です。外国籍従業員に対しては、企業のビジョンや方針を理解してもらうだけでなく、日本のビジネスマナーを修得してもらう必要もあります。日本のマナーとひとくちに言っても、名刺交換などの礼儀を身につけさせたい場合から、打ち合わせやチームワークにて発生する異文化コミュニケーションの対応を中心にしたい等、企業によって求める内容が多様なので、人事担当者や研修担当者はニーズを細かく押さえる必要があります。

このように、新入社員の雇用形態は多様化しており、各々に合った教育内容が求められています。

新入社員研修の設計と評価のポイント

研修後に新入社員に期待する姿とは

新入社員教育のゴールは、新入社員が自身の可能性を最大限に活用し、企業の一部として貢献できることです。具体的には、ビジネスマナーや基礎技能の取得は当然、企業の規則や社風の理解、そして専門的な技術や知識を獲得し、具体的な業務に適応できる能力を持つことが求められます。

適切な研修プログラムの設計:新入社員の「今」やるべき内容の選択

教育プログラムの設計で重要なことは、新入社員の年代における特徴やレベル感に対応した内容を提供することです。そのためにも、新入社員の背景、内定者時代に提供したプログラムとの整合性、スキルレベルなどを考慮したうえで、彼らに必要な学習要素を選定し、プログラムを設計することが要求されます。気をつけるべきなのは、必要だからといって、限られた時期に教育を詰め込む必要があるのか、つまり、本当に「今」必要なのかという視点です。時間と予算と相談しながら、無理や無駄のない設計を心がけましょう。

効果的な研修のための参加者同士の「共創」

教育の成果を上げるためには、参加者間の積極的なコミュニケーションや共創が不可欠です。具体的な手法としては、グループディスカッションやワークショップを実施することで、お互いの考えを共有し、相互学習を推進することが可能です。また、フィードバックセッションを設けることで、他者からの意見を取り入れ、自我の理解を深めることも可能となります。

研修結果の評価と反省

教育結果の振り返りは、新入社員自身の学びを深め、教育の効果を最大化するために欠かせません。振り返りを行うことで、新入社員は自己の学びや成長を確認し、より正確な自己評価をことが可能となります。

また、振り返りは教育プログラム自体の評価と改良のための重要な手段でもあります。その結果を基に、より効率的な教育プログラムを構築することが可能となります。

まとめ

本記事では、新入社員教育の重要性を、目的、多様な対象者、実施方法といった観点から解説しました。新入社員教育は、一人一人の新入社員が社会人として要求される技能と知識を取得し、企業の文化と価値観を把握するための要となるプロセスです。

7・2・1の原則は、新入社員が体験から学習することの重要性を示していますが、それと並行して教育の意義も示唆しています。教育は新入社員にとって、具体的な技能取得だけでなく、新たな視野や思考法を習得し、他者との関係を築き上げ、自身の成長を加速するための価値ある機会です。

多様な新入社員の背景を配慮することで、より有効な教育プログラムを構築することが可能となります。そして、その過程で共創の価値を認識し、新入社員自身の成長と学習のチャンスを最大化します。 終わりに、反省と評価は、新入社員教育の効果を検証し、改良するための主要な手段です。これにより、教育が組織全体の成長と進化に貢献するという目指すべき目標に向けて、さらなる一歩を踏み出すことが可能となります。

この記事を書いた人

栗林 陽

(株)TOASU DI室リーダー/チーフディレクター 

大学卒業後、大手IT業界、海外経験を経て現会社へ入社。日本の継続的、健康的な成長を願い、企業向け研修の企画、営業に従事。その後、営業だけでなく0からの研修企画、作成が認められ、社内での新規事業のリーダー職を担う。現在は「チーム」へ向けた今までにないサービスを作成中。座右の銘は「少しでも良い社会のために」。本業の傍ら、地域活性にも参画。大学まで続けたサッカーは今でも毎週行っている。

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