
新入社員や新メンバーを迎える際、研修プログラムは重要な役割を果たします。しかし、研修内容によっては参加者からバカバカしいと感じられることもあるかもしれません。今回は効果的な研修とバカバカしいとされる研修の違いに焦点を当てて、改善の手法を考えてみましょう。
目次
研修はバカバカしい?
研修を受ける社員にとってバカバカしいと感じられることもあるかもしれませんが、研修は企業として重要な意味があるものと言えるでしょう。
新入社員にとっては、業務に関する基礎知識や技術の習得をする最初のステップです。実際に業務に関わる際の準備として、ミスを減らすための基盤作りとも言えます。
中堅社員にとっても、昇進や新しい役職を目指すにあたってのスキルや知識を習得するための機会となります。管理職に対しての研修もあり、プレーヤーとして優れた社員でもマネジメントは別領域となるので、リーダーシップを発揮するための基盤となるでしょう。
このように、意味あるものだからこそ、昔から大小問わず多くの企業が研修を採用してきました。それでは、どうして研修をバカバカしいと感じる社員が出てきてしまうのでしょうか。
研修について知りたい方は、別記事「研修とは?目的・種類・効果測定・設計・実践を徹底解説」にて詳しく解説しています。
研修がバカバカしいと感じられてしまう要因
世代間のギャップ
企業では少なからずジェネレーションギャップを感じる世代間の差が発生します。彼らはデジタルが当たり前となっており、情報を素早く収集する能力に秀でていることも少なくありません。
その中で、古典的な形式を重視したような研修を行ってしまうと、非効率さが目立ってしまいバカバカしいと感じる要因の一つになってしまいます。
研修内容の非現実生
研修内容と実際の業務に乖離が大きい内容の場合、バカバカしいと感じる場合があると言われています。例えば、過度に理論的な内容に終始してしまうなど、明確な目的や効果が見えないものは注意が必要です。
一方的な情報の押し付け
講師からの一方的な情報の伝達に終始している場合、バカバカしいと感じられる傾向にあります。参加者の関与する機会が極端に少ないと、考えを発展させる機会も得られず、研修に対する興味関心を薄れさせてしまう恐れがあります。

バカバカしいと感じられる研修の改善方法
目的と目標を明確に設定
研修が何を達成するためのものなのか明確にしましょう。参加者がなぜ受講するのかを理解することによって、研修内容への興味関心を高める効果が期待できます。
すべての研修が実務に直結するわけではなく、考え方など抽象的でありながら効果的な内容の研修もあると思います。そういった際にも、目的と目標を明確にすることで積極的な参加を促しましょう。
参加者の声を聞く
研修の改善点や要望を聞き、それを反映させるように努めましょう。企業側の一方的な押し付けにならないように、社員が学びたいと思っている内容への理解も必要です。よくある形ですが、アンケートを実施するなどが方法として考えられます。
最新の手法を取り入れる
効果的な研修手法を調査し、プログラムに取り入れ、常に更新しましょう。新しいものが良いものとは限りませんが、調査をしてベストな方法で行えると良いと思います。
特に若い世代は、情報に敏感なので新しい手法を取り入れることによる効果が期待できるでしょう。逆にベテラン社員向けの場合には、新しい手法が裏目に出る場合も考えられます。
研修の目的について知りたい方は、別記事「社員研修の目的とは?〜種類別の特徴や設定方法を解説〜」にて詳しく解説しています。

研修はバカバカしくない!
冒頭でも少し触れましたが、研修は本来バカバカしいものではありません。それは、さまざまな側面から言えることではありますが、いくつかその理由をご紹介します。
人間関係の構築をサポート
研修は新しい環境で働く人々が同僚や上司との人間関係を構築する機会となります。効果的なコミュニケーションスキルやチームワークの重要性を学ぶことは、職場での円滑な人間関係の形成に役立つでしょう。
専門知識とスキルの習得
研修は、特定の業界や職種に特有の知識と技術を習得する場でもあります。これにより、従業員は安全に、かつ効果的に業務を遂行するための基本を学ぶことができます。
普段の業務から学べることもありますが、研修など別の機会を設けなければ習得できないこともあります。例えば、マネジメントの基礎など、感覚的に上司の振る舞いから学ぶことはできても、知識やスキルとして学ぶ機会は重要です。
若い世代にも必要な理由
特に研修に意味を感じない割合が多いのが若い世代です。しかし、若い世代にも研修は必要と言える理由があります。
学生生活から社会人生活への移行は、大きな変化です。研修を通じて、ビジネスマナーや職場での基本的なルールを学ぶことは、社会人として求められる行動様式を身につける上でも重要と言えるでしょう。
また、キャリアの初期段階にある若い世代は、自身の進むべき方向を模索している場合が多いです。研修は、自身の強みや興味を発見し、将来のキャリアパスを計画するための指針を提供してくれるでしょう。
まとめ
研修がバカバカしいと感じられる場合として、その内容が問われていることが多いことがわかりました。新人研修や管理職研修など、研修自体がバカバカしいと感じているという人は多くはいないようです。
非現実的なものなど、何の目的や目標を持って取り組むものなのかが明確でないものや、古い形式のまま行われ続けているものなどは、特に注意が必要でしょう。
せっかく費用と時間を費やして行うので、積極的に社員が参加できる研修を目指せるようにしたいところです。
この記事を書いた人
栗林 陽
(株)TOASU DI室リーダー/チーフディレクター
大学卒業後、大手IT業界、海外経験を経て現会社へ入社。日本の継続的、健康的な成長を願い、企業向け研修の企画、営業に従事。その後、営業だけでなく0からの研修企画、作成が認められ、社内での新規事業のリーダー職を担う。現在は「チーム」へ向けた今までにないサービスを作成中。座右の銘は「少しでも良い社会のために」。本業の傍ら、地域活性にも参画。大学まで続けたサッカーは今でも毎週行っている。