「研修に意味ない」と言わせない!効果を実感する研修の秘訣

「研修に意味ない」と言わせない!効果を実感する研修の秘訣

研修企画者や人財育成担当者が最も耳にするのは、「この研修、本当に意味あるの?」という声かもしれません。しかし、ビジネス界では研修へのニーズは高まっています。企業は新しい技術の採用や変動する市場環境に即座に対応する必要があるため、社員の能力や知識を向上させる研修の価値は計り知れないのです。

確かに、研修内容や方法に対する疑問や批判は存在します。しかし、それは「研修そのものが不要」というわけではありません。むしろ、より効果的な研修の設計や実施方法を模索する契機と捉えるべきです。

本記事では、ビジネスの急激な変化とその中での研修の重要性を中心に、研修企画者の悩みに応え、研修がビジネスにおいて果たす真の役割やその実装方法について詳しく探求します。現場の声に耳を傾けながら、より良い研修を実現するための秘訣を伝授します。

研修はビジネス戦略の一部として、その真の価値を発揮する場でもあります。この記事を通じて、研修の可能性とその実現方法を再認識していただければと思います。

「研修の意味がない」の背後にある要因とは

企業の成長戦略として研修の計画や実施は不可欠ですが、実際には受講者から「研修の効果を感じられない」という声も少なくありません。この章では、その背景となる課題や受講者の視点をもとに、現代の研修の傾向と課題を詳しく見ていきます。

研修の必要性が受講者に伝わらない

受講者からは「具体的な現場の課題解決に結びつかない」というフィードバックがあります。最新の研修トピックを取り入れても、受講者がその必要性を実感できないと、効果は限定的になることが考えられます。

現場の要求と研修内容のズレ

デジタルトランスフォーメーションやグローバル対応といったビジネスの現場の要求が急速に変わってきています。研修内容がこれらの新しい要求とずれが生じていることで、受講者からの期待とギャップが生まれていることがあると言われています。

受講者のスキルと研修内容の不一致

研修企画・実施側が受講者の能力を的確に把握しきれていないケースが見受けられます。これが原因で、研修内容が基本的すぎる、あるいは高度すぎるというミスマッチが発生していることがあります。

アウトプットの場が提供されていない

アクティブラーニングやPBL (Project-Based Learning) といった実践的なアプローチが注目されている中、伝統的な講義型の研修のみにより知識を獲得するだけの場合があり、知識のアウトプットや応用の場が欠けているという課題もよく見受けられます。

研修目的が不明確

研修を効果的に進めるためには、明確な目的設定が必要です。しかし、具体的な目標が設定されていない研修では、受講者に取り組み方針を正確に伝えられないことがあると思われます。

研修の企画者や人材育成担当の方々は、これらの課題を深く理解し、次回の研修計画に活かすことが期待されています。次章では、これらの課題を克服し、研修をさらに効果的に進めるための手法やアプローチについて考えていきます。

「意味がない研修」から「意味のある研修」にするには?

研修効果を明確に定義する

効果を明確にすることで、受講者のモチベーションを向上させ、期待値を明確にします。

安心安全な研修環境を整える

受講者が自分の意見や疑問を安心して共有できる環境作りが重要です。グループワークやペアワークでの意見交換を活発にし、受講者が公私や周りの受講者とコミュニケーションを取りやすい環境を設計することも大切です。

現場と研修のゴールをすり合わせる

研修内容が現場のニーズに応じているか確認することで、実践的なスキルを効率よく習得します。定期的にフィードバックを収集し、カリキュラムを更新します。

事前に研修の目的を理解する

研修の事前資料やオリエンテーションを提供することで、受講者が研修の価値や意義を事前に理解できるようサポートします。

研修の内容を実務に結び付ける

実際の業務場面でのトレーニングを組み合わせることで、研修内容を現場に即して適用させます。

スキルだけでなく価値観の変容も促す

研修でのディスカッションやワークショップを通じて、知識のみならず、受講者の考え方や態度を変化させるような内容を取り入れます。

まだ習得していない項目を洗い出す

受講者自身に自己評価を行わせ、それを基に弱点を克服するためのサポートや追加研修を提供します。

座学以外の研修方法を導入する

ロールプレイングやシミュレーションゲームなど、実践的な研修方法を組み合わせることで、受講者の理解と実践能力の向上を促進します。

研修後のフォローアップを実施する

研修が終わった後も、定期的なフォローアップやサポートを行い、学びを持続的に深化させます。

研修後のアンケートを活かす

受講者からの直接の声を収集し、それを基に研修内容や方法を改善していきます。長期的な研修効果を高めるためのアクションプランを策定します。

研修の効果を最大化するためには、受講者の意識と研修内容が一致することが重要です。上記の工夫や注意点を取り入れながら、受講者が真に学びを感じ、成果を出せる研修を計画しましょう。

企業としての研修の重要性

研修は、単なるスキルや知識の伝達の場ではありません。経営学の観点からも、企業が持続的な成長を遂げるための基盤としての役割を果たします。具体的には、以下の点において研修が重要です。

人材の育成とリテンション

人財は企業の最も価値ある資産です。研修を通じて、社員の専門スキルやリーダーシップ能力を向上させることで、企業全体の業績や生産性を高めることが可能です。また、社員が自らの成長やキャリアの発展を感じることで、離職率の低下や社員のロイヤリティ向上にもつながります。これは、経営の観点から見ても、人財の確保と維持が困難な現代においては非常に重要なポイントです。

企業文化の浸透

企業文化は、組織の行動や意思決定の原動力となります。研修を通じて、企業のビジョンやミッション、そしてその背後にある価値観を社員に伝え、共有することで、組織全体として一貫した行動を促進します。これにより、迅速な意思決定や高い業績を達成するための土壌が醸成されます。

ビジネスの競争力向上

現代のビジネス環境は、技術の進化やグローバル化の進行により、日々変化しています。このような環境下で競争力を維持、または向上させるためには、社員一人ひとりが最新のスキルや知識を持ち、それを効果的に活用することが求められます。研修は、そのための最適な場となります。また、研修を通じて新しいアイディアや革新的な取り組みが生まれることもあり、これが企業の競争力をさらに高める要因となります。

企業としての研修の重要性は、これらの要点に示される通り、単にスキルや知識の伝達だけでなく、組織全体の成長や競争力向上の鍵として機能します。経営者や人財育成部門は、研修の企画や実施時にこれらの観点を念頭に置き、効果的な研修プログラムを構築することが求められます。

研修の品質を評価・確保するための方法

研修の効果を最大化するためには、その品質をしっかりと評価し、確保する必要があります。特に現代の研修環境では、デジタル化や多様な学習手法の導入が進んでおり、その効果測定方法も進化しています。以下は、そのための具体的な方法と、その背後にある理念や考え方です。

コルブの経験学習サイクル

コルブの学習モデルは、経験から学ぶサイクルを強調します。具体的には「具体的経験」「観察・反省」「抽象的概念化」「活用的試行」という4つのステップから成り立っています。研修内容の設計時に、このサイクルを意識して経験を積み重ねられるカリキュラムを組むことで、学びが深まるとともに研修の効果を向上させることができます。

KPI (Key Performance Indicators) の設定

KPIは、業務の効果を数値で示す指標です。研修においても、具体的なKPIを設定することで、その効果や成果を明確に可視化できます。例えば、研修後の業績向上率や、新しいスキルの実践回数など、具体的な数値を設定して、研修の成功を測ることができます。

ピアレビュー

ピアレビューは、参加者同士がお互いの学びや成果を評価する方法です。第三者の視点でフィードバックを受け取ることで、自己認識のギャップを埋める助けとなり、学びの深化を促します。また、相互評価の文化を醸成することで、組織全体のコミュニケーション能力も向上します。

ケーススタディと具体的経験の価値

ケーススタディは、実際のビジネスの状況を模倣した事例を通じて、問題解決のスキルや知識を深める方法です。実際の状況を想定することで、学びが実務に直結しやすく、応用力を養うことができます。近年、多くの企業が独自のケースを作成して活用しています。

定期的なカリキュラムの見直し

ビジネス環境や技術の変化に伴い、求められるスキルや知識も日々進化しています。そのため、研修カリキュラムも定期的に見直しを行い、最新のニーズに合わせてアップデートする必要があります。また、前回の研修のフィードバックや評価結果をもとに、改善点を取り入れることも大切です。

研修の品質を確保するためのこれらの方法は、研修の効果を最大限に引き出すための重要な手段です。研修企画者や人財育成担当の方々は、これらの方法を取り入れながら、絶えず研修の質を追求し続けることが求められます。

変化する研修の形 – 新たな取り組みとは?

現代の研修は、テクノロジーや学習理論の進化、そして働く人々のニーズの変化に応じて、新たな形を模索し続けています。その中で、特に注目されている新しい研修の方法や取り組みを以下に紹介します。

ゲームフィケーションの取り入れ

ゲームフィケーションとは、ゲームの要素や仕組みを非ゲームの領域に導入することです。研修においても、この手法が活用され、学びのモチベーションを高める効果が期待されています。クイズやランキングなどの要素を取り入れることで、受講者の学習意欲や参加意識が向上します。

マイクロラーニングの導入

マイクロラーニングは、短時間で消化できるコンテンツを提供する学習手法です。情報過多の時代に、短時間で効果的な学びを追求する動きとして注目されています。特に忙しい社員や研修時間の取れない場面で、効果的に学びを進めることができます。

ブレンディッドラーニングの活用

ブレンディッドラーニングは、従来の対面式の研修とオンライン学習を組み合わせた方法です。これにより、受講者の学びのペースやスタイルに柔軟に対応することが可能になります。特に新型コロナウィルスの影響で、リモートワークやオンライン研修が普及している今、その有効性が高まっています。

メンターシッププログラムの拡大

メンターシップは、経験豊富な先輩社員が後輩や新入社員に対し成長をサポートする制度です。近年では、メンターとメンティの関係性を深化させるための研修や、メンターのスキルアップのためのプログラムが増えています。これにより、組織のノウハウや価値観の継承、そして新入社員の早期定着が促進されます。

これらの新しい取り組みは、時代の変化や組織のニーズに応じて進化し続けています。研修企画者や人事部の方々は、これらの最新動向をキャッチアップしつつ、組織や受講者のニーズに合わせた研修を設計することが求められます。

まとめ

研修は、単なる社員教育の場としてだけでなく、組織全体の成長や変革の中心的役割を果たすものとして認識されてきました。現代ビジネスのダイナミックな変遷の中で、研修の意義やアプローチが定期的に問われることは自然な流れであると言えるでしょう。しかし、その度に感じられる疑問や批判の声は、研修の方法や内容の進化と向上のきっかけとなるものです。

本記事を通じて、私たちは新しい研修の形、評価・確保の方法、そして研修の真の価値について深堀しました。それぞれの企業や組織に適した研修を設計・実施するためには、現場の声や最新の動向、そして経営戦略との連携が不可欠です。

最終的に、研修企画者や人材育成担当者は、企業の成長と変革を支える立場として、研修の意義と効果を常に追求し続ける必要があります。研修が「意味のあるもの」であると感じられる瞬間は、それぞれの企業や受講者の成功体験の中にあります。私たちは、その成功のためのヒントや方向性をこの記事で共有しました。

研修の未来は、変革と挑戦の連続ですが、それがまた新しい価値や可能性を生む原動力となるでしょう。

この記事を書いた人

栗林 陽

(株)TOASU DI室リーダー/チーフディレクター 

大学卒業後、大手IT業界、海外経験を経て現会社へ入社。日本の継続的、健康的な成長を願い、企業向け研修の企画、営業に従事。その後、営業だけでなく0からの研修企画、作成が認められ、社内での新規事業のリーダー職を担う。現在は「チーム」へ向けた今までにないサービスを作成中。座右の銘は「少しでも良い社会のために」。本業の傍ら、地域活性にも参画。大学まで続けたサッカーは今でも毎週行っている。

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