
皆さんは自分の未来にどんな希望をお持ちでしょうか?
「お金持ちになりたい」「海外で暮らしていたい」など人それぞれ価値観によって答えは異なると思いますが、多くの人が幸せでいたいという点で共通していると思います。
その自分なりの幸せをできる限り鮮明にイメージして、そこに向かって日々の仕事を選択していくことは望ましいのではないでしょうか。
今回は、自分の将来設計について少し考えてみましょう。
目次
キャリアデザインとは?
日本では当たり前とも言えた終身雇用が、時代の流れとともに衰退し、それぞれが自分でキャリアを構築していくことが求められるようになったと言われる昨今。
そんな中で注目を浴び始めているキャリアデザインという概念をご存知でしょうか?
それは今の会社内外を問わず、将来にわたってどのような道を歩んでいきたいのか、そのためにどんなプロセスを描いていくのかを設計し実現していくことを指す考え方です。
この考え方が身についていれば、上司に将来を決めてもらうなど会社に依存するのではなく、自ら道を切り開いていくことができるでしょう。
キャリアパスとの違い
キャリアデザインと同義語として捉えている方が多いと言われていますが、その中身にははっきりと違いがあります。
キャリアパスとは、働いている会社内での出世や目標などを指す概念です。
例えば、「5年以内に営業成績トップに立つ」などが挙げられます。それに対し、キャリアデザインは会社単位ではなく、転職も含めて個人の将来に渡ったキャリアのことを指しています。

期待される効果
未来へ逆算して行動ができる
将来どんな仕事をして、年収はいくらでなど、その時になってみないとわからないかもしれませんが、キャリアデザインを行えば目標に向かって逆算して行動をすることが可能です。
つまり自分の創造した未来に向かって何をすれば良いかの明確化ができると言えます。
例えば、「年収2000万円のウェブデザイナー」になりたいとしたら、どの程度の仕事ができれば叶うのか、その仕事をするためにはどんなスキルが必要かなど、やるべきことが見えてくると思います。
目の前のことだけに一生懸命になってしまうのではなく、将来に向かってやることを決めた上で、目の前のことに立ち向かうことができるようになるでしょう。
モチベーションアップ
目標に向かって働いている人がモチベーションが高いことは想像しやすいのではないでしょうか。
それは、会社のためでも家族のためでも良いと思いますが、主体的に決めることが重要と言えます。
実施する上での注意点
希望だけを見て現状整理が疎かに
自身の描いた将来像に向かって進んでいくということと、無謀なチャレンジは違うということは理解しておく必要があるでしょう。
自分の将来像を考える時に、夢や希望はもちろん良いのですが、今持っているスキルなど現状を合わせて考えることを忘れてはいけません。
将来についてどれだけ考えられるか
夢だけを見てプロセスが思い浮かばない、自己評価を低くしすぎて目標設定が甘いなど、考慮すべき要素をしっかりと考えられていないまま感覚値で将来設計をするのはお勧めできません。
「自分ができること」「やるべきこと」「やりたいこと」を照らし合わせてしっかりと考えていきましょう。
実際の方法
なりたい自分を創造する
自分の未来の理想像を考えても具体的に何をするかまで落とし込むのは難しいという方も多くいると思います。
そんな時にはバックキャスティングという手法を用いると良いでしょう。
バックキャスティング
目標とする未来から逆算して考える手法。
目標にたどり着くためには、何が必要かを整理して考えることができる。
逆に自分がどうなりたいのかがわからないという方も少なくありません。
そのような場合も、バックキャスティングを使って、「こうはなりたくない」というところから、逆算して考えると、安心できる将来像を見つけていくことができると思います。
なりたい姿がイメージできない場合でも、「嘘つき」など、なりたくないもののイメージであれば答えが出てくるの絵はないでしょうか。
現状確認
未来のことを考えるために、現状の自分について整理しておくと良いでしょう。
下記の項目などをチェックすることで、思い描く未来に向けて不足している部分を確認します。
- 自分の魅力
- 影響を受けたものの共通項
- 価値観
- こだわり
- これまでに失敗した時に回復するきっかけになったこと
このように現在と照らし合わせることで、目標との差が見えてくると思います。
目標に向けて何をするか
目標設定が近すぎたなどの場合以外は、急にゴールに近づこうとしても難しいことがほとんどです。
一歩ずつ着実に進んでいけるように、今やることを明確にし、近い目標設定をしていきます。
目標設定を的確にするために、SMARTという手法がよく用いられています。
SMART
Specific(具体的な)
何に取り組むのか、具体的な表現で、明確な言葉で表す
Measurable(測定可能な)
達成度合いをレベル化し、可視化できる形式にする
Achievable(達成可能な)
目標が達成可能な現実的内容かどうか(背伸びしすぎていないか)を確認する
Relevant(関連のある)
自己満足になるのではなく、会社・家族・社会も理想像とつながる内容にする
Time Bound(期間を決める)
いつまでに目標を達成するか、その期限を設定する
この一つずつをしっかりと設定することで、「今何をいつまでにやるべきか」というところまで落とし込むことが可能です。
目標設定が曖昧だと大きなパワーは生まれづらく、大きな目標だけ掲げてしまうと、今何をすれば良いのかが不明瞭になってしまうでしょう。
SMARTのような有効な手法を使って整理するなど、適切な設定ができていると一歩ずつ進んでいくプロセスが鮮明に見えてくると思います。
あとがき
現代のビジネスパーソンの方々の多くがお悩みの将来設計について、漠然と考えるだけでは解決に至らないこともしばしば。
不安なままでは、普段の仕事の生産性も上がらず、モチベーションの低下も考えられます。
今回ご紹介した方法であれば、自分が決めた目標のために、今するべきことをしている状態になれる可能性があり、仕事に取り組む姿勢も自ずと変わってくるでしょう。
ご自身や社内で行うのはハードルが高めですが、研修やセミナーなども開催されており、実際に体験できる機会は多くあります。
また、社内にキャリアコンサルタントなど専門家をおく企業はまだまだ多いとは言えませんが、日常的に専門家に相談できる環境を整備しているところも増えてきました。
より豊かな人生を送るためにぜひ一度考えてみてはいかがでしょうか。