
目次
ファシリテーションとは
会議などの活動の場において、質の高い結果が得られるように活動のプロセスをサポートしていくことがファシリテーションです。
ファシリテートという言葉には、「容易にする」「促進する」といった意味があり、何らかのことを容易に進めていくこととも言えるでしょう。
司会者と同義語だと思われているケースもありますが、それはファシリテーションの一部に過ぎず、集団で問題解決をするためのサポートをして成果を出す手法のことを言います。また、ファシリテーションを行う人のことをファシリテーターと呼び、司会者とは別に配置されるケースも少なくありません。
ファシリテーターの役割
場が円滑に進むように様々な役割を担います。
円滑に進み、質の高い結果が得られるように以下のことは少なくとも抑えておきたいところです。
場をコントロールする
会議の目的やルールを周知できる存在がいないと、議題と関係ない討論が始まってしまうこともあります。
時間内にゴールにたどり着けるように、うまく段取りをして進行していきます。
会議を活性化する
会議になると、立場の違いや自信の有無などによって発言する人が限られてしまう場合があります。
参加者全体に発言を促したり、発言しやすい雰囲気づくりや説明が苦手な方のサポート等を行うこともファシリテーターの役割です。
意見の集約・整理を行う
場が活性化してアイデアが出始めたら、集約・整理をして認識のズレを整えていきます。
適宜これを行わないと、気付いたら認識が擦れてしまうメンバーが出てくるので、意見が集まり始めたら整理することを心がけましょう。
会議のゴールへ導く
ゴールがアイデアを集めることなのか、結論を出すことかなど、その場によって違いがあると思います。
状況によって締め方が変わることは注意が必要でしょう。
この会議がゴールに達したら、メンバーは次何をするべきなのかまで導くことができるとより良いと言えます。

コーチングとは
個人が目標達成、または成長するために何が必要であるかを伝え、その人が自分で動くことができるようになることを促す手法です。
一方通行にならず、双方向でコミュニケーションをとり、個別対応でその人が持っているものを引き出していくものだと言われています。
個別対応をすることが基本となっており、集団スポーツのコーチなどは今回ご紹介しているコーチングスキルとは少しニュアンスが違うかもしれません。
スポーツのコーチについては人によって違いがあると思いますが、ティーチングとコーチングを組み合わせた指導方法と言えるのではないでしょうか。
コーチングについては、別記事「コーチングのやり方 これだけは抑えておきたい情報」で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
ファシリテーションとコーチングは何が違う?
コーチングとファシリテーションは、質問等を通して相手の心の中にある答えを引き出すという点において共通していることから、その違いについては議論されるところです。
両者には大きく分けると3つの違いが挙げられます。
個人と集団
コーチングは基本的には1対1で行われるのに対し、ファシリテーションは集団に対して行うことが基本となっています。
立場の違い
コーチングは実際に部下をコーチするなど当事者として関わりますが、ファシリテーターは中立な立場で行います。
目的の違い
個人の心の中を深く省みる事をコーチングが目的としているのに対し、ファシリテーションはグループ内の意見のぶつけ合いなどから生まれる相互作用に期待をしていることが一般的です。
ファシリテーションとコーチングの組み合わせ
これまで後輩指導などの場面で、答えを教える「ティーチング」が多くみられていました。
ティーチングとは、「1+1=2」といったような答えを教えていく、学校の授業等で用いられている技法です。
この技法は、答えを知ることで生産性を高める狙いが強く、自ら考え・アイデアを出していくような主体性や自主性を強く求めていくには最適とは言えないかもしれません。
ティーチングを主とする学校教育を卒業したばかりの若い社員たちは特に、会議の場などで自主性や主体性を発揮できるようにファシリテーターがついていることは有益でしょう。
近年、新入社員の教育をする際などに答えを引き出すコーチングスキルが求められていることも、こういった背景が考えられます。
集団の中で個人との双方向のやり取りも交えていくなど、2つを組み合わせた主体性や自主性を高める取り組みも重要性を増してきているのではないでしょうか。

まとめ
ファシリテーターを外注したり、コーチングスキルを学ぶ研修に参加するなど、需要が高まってきている両者。
その違いについてご理解いただけたでしょうか?
会議の参加者など、当事者たちにとってスキルがある進行役がいることで、力を発揮するきっかけになるかもしれません。
逆に会議の進行役や管理者など、担当者も知識がない状態で任されることも少なくなく、不安に感じることもあると言われています。
両者ともに研修やセミナーが活発に行われているので、活用を検討してみるのも良いかもしれません。