COLUMN
研修コラム
TOASUでは皆様の人材育成に関する疑問・悩みを解決するためセミナーを開催しています。また過去のセミナーについてはアーカイブ動画を提供しております。
今回は2025年1月30日に開催した「インストラクショナルデザインの活用から研修効果の見える化を実現~効果的な目標・評価設定とROIの関係とは~」から概要レポートをお届けします。
こんな悩みを持つ方におすすめ

登壇したのは、インストラクショナルデザイナーとして活躍するかたわら大学などでも講義を行っている寺田佳子講師です。寺田講師は本講義の内容を3つのテーマのもと設計しました。
・経営層に上申するために研修の効果を可視化したい
・研修成果について納得感を得るため、研修効果測定方法を確認したい
・研修の見直しのポイントや効果的な手法を学びたい
上記のような悩みをお持ちの方には特におすすめの内容となっています。
評価の一番大事なルール

講義は3つのトピックに分けて章立てされました。
・評価のフィロソフィー(Why/なんのために)
・評価プロセスのフレームワーク(How/どのように)
・評価のアピール方法(What/なにを)
本題に入る前に、まず寺田講師から「評価の一番大事なルール」として提示されたのが「後だしジャンケンはしない」ということ。研修が終わった後に視点や成果の評価を決定するのはNGと禁じました。
インストラクショナルデザインの考え方は「後だしジャンケン」とはまったく逆です。たとえば、研修終了時にアンケートを行うと△△という返答の割合が○%、もしくは□□できるようになった人数が○人以上だったら成功/失敗、といったように、実施の前に評価基準と結果を想定しておき、成功のためにはどのような課題にすべきか? という順序で内容を組み立てていくのが正しい手法であり、守るべきルールなのです。
評価のフィロソフィー
1点目のトピックである「評価のフィロソフィー」とは何のために評価するのか、つまり何のために研修効果の見える化を行うのか? ということです。
まず、見える化の対象とは何でしょうか。学んでいる内容や様子、受講の結果起こった行動変容、会社の利益の変動……対象によって手法は異なりますし、得る結果も変わります。
そもそも世界と比較して日本は「人に投資しない」国だということが明らかになっています。その理由は、育成施策に「手応えを感じていない」人事担当者が多いから。育成の結果がわかるようにすること、つまり見える化することは、人的投資の効果をさらに発揮するために必須です。
研修のROIって、なに?
本講義の主要キーワードのひとつ「ROI」。つまり投資対効果のことですが、研修の場面では「研修プログラムの価値と、それがどれだけ企業の戦略に貢献したかを示す分析手法」としておすすめとのこと。数値の提示は非常にわかりやすく、情報共有の際にも便利なツールとなるからです。
しかし、実際のところROI評価はハードルが高いと感じている人が多いのではないでしょうか。ここでセミナー参加者にも尋ねたところ、「ROI評価を行ったことがある」と反応した人はほぼいませんでした。
寺田講師はその理由が「怖れ」にあると分析しました。「今以上の評価・効果測定の時間がない」「思っていたような数値が出なかった場合にダメ出しのようになりそう」「プロセスがよくわからない」といった怖れから、ROI評価へ踏み出せない状況が生まれているようです。
しかし、インストラクショナルデザインの観点では「悪い評価結果は喜ぶべきもの」となります。たとえば健康診断であれば、どこが悪いのかが判明することは適切な対処に繋がります。同様に、期待と「ズレている」部分を明確にすることこそが、評価とそのレポートの役割なのです。
評価レポートの原則を認識する

評価において重要なのは、研修レポートとは進行・成果について共有するために作るものであるということ。加えて、そのデータをどのように活用するか提言することが人事の仕事である、と関係者間で認識を共有する点にあります。
レポートはあくまでプログラムの改善と進化のために活用すべきであって、誰かを振るい落とす、順位付けの道具ではありません。評価とは研修をより良いものに磨きあげるためのものである。これが研修のフィロソフィー、Whyの答えになります。
セミナーの動画本編はこちら
以降のトピック2「評価プロセスのフレームワーク」、トピック3「評価のアピール方法」についても、プロセスモデルの詳しい解説からROI計算の基本、具体的なケーススタディ、“みんなが幸せになるため”のアピール方法まで詳しく解説されました。ご興味のある方は、ぜひアーカイブよりご覧くださいませ。
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